新型コロナウイルス(武漢肺炎、COVID-19)のおかげで、バンコクを一度でも出国して日本を含む流行地域に足を踏み入れたら、14日間の自宅・ホテル待機を求められるようになりました。現実には強制ではありませんが、なんとも嫌な感じです。
日本に戻ることを少しでも遅らせて、バンコク内での所用を済ませてしまいたい方は、パスポートの有効滞在期間に注意する必要があります。今回は、滞在期間を延長する手続きを行うため、バンコクにある移民局(イミグレーション Immigration Bureau สำนักงานตรวจคนเข้าเมือง)に向かうことにしました。
本ページが役立ちそうな方は
- バンコクのイミグレーション(移民局 ต.ม.)への行き方知りたい人
- 電車とバスだけで行きたい人
- 最小の交通運賃で行きたい人
- 高レベルの安全性を確保しつつ向かいたい人
- タオ・プーン駅を経由していきたい人
- BTSのアソーク(asok)駅からイミグレーションに行きたい人
イミグレーションは何をするところ?
タイのイミグレーション(移民局 ต.ม.)は、主にタイ国籍を持っていない人の滞在期間延長許可、ビザ更新、滞在許可や再入国許可を与える(場合によっては取り消す)、タイ政府の機関です。要するに外国人に在留許可を出す部局です。勘違いしがちなのは、タイで滞在するためのビザや労働するためのワークパーミット(労働許可証)を発行する機関ではありませんので、この点は注意です。
具体的には、例えば観光ビザなどの有効期限が迫ってきて、すぐにタイを出国しない場合などは、イミグレーションで滞在延長許可を受けることになります。要するに権威のある「スタンプを押してもらう」機関です。
事前知識として知っておくべきことは、イミグレーションはいつも込み合っている機関ということです。新型コロナウイルスが流行っている2020年2月と3月は、例年に比べてとても人が少なくなっています。それでも、決して少人数という感じではありません。昼間の首都圏の電車並みの混雑さはあります。また、イミグレーションに行く前に食事や、ATMで預金を降ろすなどということもする必要はありません。
イミグレーションは政府機関がたくさん詰まった政府庁舎の中にあり、その施設の中には食事やコピー、写真撮影から銀行まで入り込んでいますので、たどり着いてから十分間に合います。
定番のGoogle Mapでイミグレーションの場所を調べる
バンコク市内からでのアクセスになります。スマホでGoogleマップを立ち上げ、行先に「バンコク イミグレーション」と入力すれば、すぐに表示されます。電車のアイコンをタップして、電車でどのように行くのかを検索します。
行き方は複数ありますが、安全性と安定性を重視して、バンコクの地下鉄(MRT)をできるだけ利用して、乗り換えを減らす方向で選びます。
私が選択した経路は、図のスクリーンショットの通りです。BTSアソーク駅まで向かい、MRTに乗り換え、スクンビット駅からタオ・プーン駅まで25分間地下鉄に乗ります。
タオ・プーン駅を降りて、バス乗り場まで向かい66番のバスに49分間乗ります。そして、政府庁舎に入ります。グーグルによると約1時間51分で、アソーク(スクンビット)駅から到着します。
マップでのシミュレーションはざっとこんな感じですが、シミュレーション通りになるのは地下鉄の経路ぐらいで、バスは当てになりません。また、バス料金にいくらかかるかも不明ですが、100バーツもあれば十分なはずです。
イミグレーションのある政府庁舎はバカでかい大きさがありますので、着いたところでイミグレーションの入り口(B棟2階)にたどり着くまで何分かかるかわかりません。通常は15分程度を見積もっておけば大丈夫なはずですが、迷ったり、バスの下車する場所次第では、倍以上かかることもありえます。イメージとしては日本の地方のイオンなどのショッピングセンターをイメージするとよいはずです。
当方の場合は、スクンビットエリアからまずBTSのアソーク(asok)駅まで向かいます。アソーク駅に向かうことはバンコク初心者でも簡単だと思います。都内や日本の都市の鉄道と大差ありません。
アソーク駅でBTSを降り、そのままMRTのスクンビット駅に移動します。改札を降りて、階段を降りればすぐにスクンビット駅です。
まずはMRTの切符を購入
スクンビット駅からタオ・プーン(Tao Poon)駅までの切符を購入します。切符を買う人は小銭(1バーツ単位で)を用意しておいた方が、切符販売機を選ばない(紙幣が使える販売機でなくてもよい)ので楽です。切符は日本のような紙の切符ではなくて、写真のようなゲームセンターの(プラスチックの)コインのような形をしています。実物の色は、もっとガンメタリック感があります。販売機の画面ははタイ語もしくは英語に切り替えができますので、わかりやすい方で購入します。
このコインチケットを、改札を入るときはSuicaのようにゲート脇にタッチして通ります。出るときは、ゲートの脇にあるコイン投入口に投入して通ります。
MRTの乗車は行先さえ確認して間違えさえしなければ、何ら難しいことはありません。プラットフォームには写真のような、どの駅を通るかのマップがしっかりありますので、ここをチェックしておけば確実です。
仮に適当に乗っても、間違う確率は半分です。乗車中もスマホの電波(true、DTACやAIS)は問題なく入ります。Google Mapで自分の位置を確認しながら移動すると安心です。
東京や大阪の地下鉄に比べればガラ空きですので、しっかり座っていくのもいいでしょう。約25分の乗車です。
タオ・プーン駅に到着します。時間もほぼ正確シミュレーション通りです。多くの人は鉄道を乗り換えるために上の階に向かいますが、イミグレーションに行くには下の階に向かう必要があります。あまりこの駅で降りる人がいないのか、圧倒的に少数でした。群衆に誘導されやすい人は要注意です。
ここからが間違いやすいバス乗車
バンコクでバスをたっぷり利用する人にとっては何ら難しいものではないのですが、私のような極端なバス嫌いの人間にはまだ簡単とは言えません。私がよくやるバスの乗り間違えは、行きの便と帰りの便の選び間違いです。案の定、今回もやらかしてしまっています。
とにもかくにも、バス停を探します。東京駅前や名古屋駅前のようなわかりやすい停車場があるわけではなく、それらしきものがあるだけです。乗るべきバスは「66」番ですので、これさ間違わなければ字が読めなくても、話せなくてもスマホさえあればなんとかなります。
写真は66番のバス停ですが、ここで66番に乗るとイミグレーションには行かないバスになります(下の図のハズレの位置です)。私は間違えて乗り込んでしまい、車掌さんにすぐに降ろしてもらいました。ありがたいことに、私が日本人だとわかると車掌さんは「ありがとうございます」とか文脈が通じない文言を私にかけてくれ、しかも料金はいらないということで、特別下車させてくれました。こちらの方がありがとうです。
正解のバス停はこちらです。こちらのバス停で66番に乗る必要があります。どう違うかというと、政府庁舎行きの便か、政府庁舎から帰りの便かの違いです。しっかり確認しないと、間違えますので注意しましょう。
要するに、道路を挟んで両脇にバス停があるのですが、タオ・プーン・マーケット寄りのバス停の方から乗車する必要があります。
バス待ちの際に座るような席もなく、コンビニのようなものも無いので、事前に水ぐらいは買っておいた方がよいかもしれません。
Google Map で地図を出すときは地図を拡大して周辺を見ておかないと間違います。タオ・プーン駅に実際についてしまうと、電波障害なのか少々、Map上の自分の現在地がズレますので、要注意です。図の上の黄色いマルで囲んだバス停が正解です。
紛らわしいので、周辺をしっかりメモしておきました。数か月程度では、場所の雰囲気が変わると思えないので、必要な方は参考にしてください。
バス料金の払い方
バスに乗る前に、確実にバスの番号をチェックしておきましょう。実のところ、この番号以外のバスでもたどり着けることもあるようです。ただし、Google Map に出ていないバスに乗ってしまうと、到着時間などの目安が狂ってしまうので、冒険はさけています。Google Map では 15分おきにバスが来るような検索結果でしたが、10:00~13:00 のバス待ち時間帯だと、15分よりもっと間隔が短かく頻繁に来るように感じました。
バスに乗り込めば、やることはまず「運賃の支払い」です。バスには運転手ともう一人車掌さんがいますので、運転手さん以外の車掌さんに支払います。いくら支払えばよいのかわからないので「イミグレーション」と伝えれば、「セブンティ バー」(70バーツ)と答えてくれましたので、100バーツ紙幣を支払いました。妥当な値段のように一瞬感じたのですが、車掌さんから20バーツ紙幣を数枚おつりとして出されましたので、そこで気づきました。「セブンティーン バーツ」(17バーツ)と言いたかったようです。しかし、発音は明らかにセブンティ(70)とモロに言っていました。
念のため、タイ語で「いくらですか?(How much?)」は何と言うのかも押さえておきましょう。
タイ語で一言(自分が男性)
タオライ クラッ
タイ語で一言(自分が女性)
タオライ カー
おつりと同時に、チケットらしきものをもらいます。このチケットはレシートのようなものらしく、終点の政府庁舎(イミグレーション)まで乗る場合は、レシートとして受け取るだけで問題ありません。単調なバンコク市内の道ですが40分以上も乗るのに、17バーツでいいのなら安く感じます。あらかじめ17バーツということを分かっていれば、小銭でおつりの無いように支払ったのですが、70バーツだったとしてもあまり違和感のない金額ですよね。
バス料金表を確認
バスは慣れていないので、いくら小銭を用意しておけば足りるのか勘頼りですが、この料金表をみておくと、10バーツコインと7バーツや8バーツを正確に渡せる硬貨を所持しておくと、素早く行動できます。紙幣ばかりだと、お釣りに困りますので、細かい方は要注意です。
【余談】タイでのチップ習慣
旅行本にはタイにはチップの習慣がないようなことがありますが、チップとワイロの習慣は今でも残っています。
余談ですが、こちらが紙幣で支払って、相手が十分なお釣りを持っていなかった場合は、おつりの部分は相手に渡すチップになります(要するに、こちらは払いすぎて終わりです。両替とかはありません)。海外では、なぜかこれが普通のようです。筆者はイギリス(ロンドン)で買い物をしたとき、4ポンド85ペンスだというから、5ポンドを渡したのですが、おつりを渡すそぶりもなく、そのまま4ポンド85ペンスのレシートを渡されて、残りはネコババされるという経験を何回もしています。つまり、「4ポンド85ペンスとは書いてあるけど、きっちり渡さず5ポンド紙幣で支払って、残りはチップにしろよ!」という意味です。別に相手の算数能力に問題があるとかいうわけではないです。初めから「5ポンド支払えば、チップ不要」みたいにやってくれると、日本人的にはわかりやすいとは思います。
タイの人は、無言でネコババすることはなく「おつり無いのですが、どういたしましようか?」的なことを聞いてくれます。もちろん、そんな状況では「おつりはいいよ」と答えるしかないのですが。今回は17バーツを支払うところを20バーツ紙幣で支払えば、おそらく3バーツのおつりができる思いますが、おつり分のコインを相手が持ち合わせていない場合は、この3バーツはチップ扱いになり帰ってこないということになります。もちろんある程度、額が大きくなれば(チップが本体価格より大きすぎる場合などは)この話のようにはいかないはずです。
チップ系のコツとしては、小銭レベル(1~9バーツ)のおつりに関しては、受け取らないのがタイでは常識です。例えば、レストランなど食事の場では、おつりの部分は受け取らない前提で紙幣で支払うようにします。例えば1,389バーツの食事代金を請求されたら、1,000バーツ紙幣と500バーツ紙幣を渡して、おつりの11バーツの小銭はそのままテープルに残す、残りの100バーツ(紙幣)は、その店のサービスが良ければチップで残す、あるいはウエイターのサービスが良ければそのウエイターにチップとして渡す。複数のウエイターがいれば100バーツを半分に自分で利用替えして、ウエイターに渡すなどのタイ人社会のルールがあります。デフレの日本人には難しいルールですので、小銭(1~9バーツ)はわざと残す方がいいのですが、バスや電車のような公共機関では、このルールと少しずれますので、小銭をある程度所持しておく方が便利なわけです。
イミグレーションにやっと到着
とにかく終点まで乗れば、この政府庁舎までたどり着きます。厳密には、この入り口はイミグレーションに一番近いというわけではないのですが、中は繋がっていますので、この入り口から入館して大丈夫です。
現在は、新型ウイルス対策で、入り口で空港と同じように体温チェックされます。問題なければ、パスポートを提示して入館します。
バンコクのイミグレーションまで、公共機関での行き方まとめ
パスポートを忘れないようにしよう。
MRTスクンビット~タオ・プーン駅までは42バーツ
タオ・プーンからイミグレーションまでのバス代は17バーツ
最低でも20バーツ紙幣を6枚以上(120バーツ分)保持しておくと、楽に行動できます。MRTを含む電車は、紙幣が使える販売機が止まっていることがよくあるので、時間節約のため10バーツコインを5枚ほど保持しておくのがお勧めです。
肩透かしを食らうほど、公共交通機関を利用してみたら、予想していた交通費より安かったです。タクシーだとこの10倍ぐらいはかかると思います。しかも、安全でした。タクシーの場合はわざと道を間違えたり、遠回りされたりするトラブルが起きやすいのですが、バスと電車の場合はこれがありません。もちろん、スリや暴漢に合う可能性がないわけではありませんが、政府施設に近いこともあり、治安は全くもってよい方なので、バスを利用するのが安心です(間違えなければですが)。
次回は定番のBTSモーチット駅、MRTチャトゥチャック駅から、または、BTSヴィクトリーモーメント駅からバスでイミグレーションまで向かうバージョンの、最新版レポートを行うつもりです。今回よりバスに乗る時間は10~15分ほど抑えられるかもです。
数ヶ月滞在するためのタイビザを取得する
日本国籍者は30日間はビザ無しでタイに滞在することができます。しかし、ビザを取得すれば30日を超えて滞在することができま ...
続きを見る