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ワクチン有効率の基礎知識

2021年7月13日

ワクチン有効率の基礎知識

現在、バンコクでは、またまた緊急事態宣言モドキの「バンコク都内における防疫措置」というやつが出ています。日本でも、同様のものが出ているようで避難轟轟だそうですが、やってしまいましたねという感じです。
「コロナを克服した先進国の見本としてのオリンピック」みたいなことをやりたかったはずで、選挙でとにかく勝って、首相は総裁選では無投票でそのまま続投を画策していたと思うのですが、どうやら雲行きが怪しくなってきました。

やはり、上に立つ人が自分のことばかり考えていると、全体を危うくしますね。自身の教訓といたしましょう。

今回は、帰国難民化している私が、あまりに商業的なお話ばかりする専門家と与太話をすることがあったので、ヤバイなと思ったことをメモしておきます。
いい年したオヤジが、以下のような会話をしていました。

ワニ
ワニ
○○○社のワクチンは有効率が95パーセントなので、接種しておけば100人の中の5人に入らない限り安全だよ
そうだよ、△△△社のものは少し怪しいけれど、それでも50パーセントの有効率がある。だから半分の確率で感染するってことなのさ。
キリン
キリン

なんのこっちゃと思うかもしれませんが、会話で2番目のキリンのオヤジは、れっきとした医師です。この会話から、悟る人は悟るのでしょうが、医療業務に携わっていても、よくわかっていない人多いなと怖くなります。
日本国内では、上のような会話は専門家の間では、たぶんされないはず。あったとしてもシロウトの思い込みでしかないようなお粗末なお話ですね。ワクチン有効率と感染確率は別の指標です。

ワクチン有効率はどう計算する?

このページでは、ワクチンの有効率のド基礎を確認します。
最低限の知識さえ備えておけば、ワクチンを勧める医師の本音がどこにあるのかを見極めることができます。
ワクチンそのものの解説は、モノホンの専門家の方から知識を入れる方がよいと思います。
ここでは、有効率の計算方法と、算出手順についてだけ考えます。

ワクチンの有効率を求めるためには、本物のワクチンを注射した人と、ただの生理食塩水を注射してワクチンを接種したと思い込ませた人のデータを集めます。そのため、注射したけれど発病した人、注射しなかったけど発病しなかった人など4パターンほどタイプの結果が出ます。

有効率というイメージから、95パーセントの有効率といえば、100人中95人は感染防止効果があるという意味だと考えがちです。これは全くの間違った思い込みです。Google で検索すると、K医大の先生(教授)がわかりやすく解説してくれています。
解説は正確でしたが、肝心のところが説明されていないので補足します。

Google 検索結果から拾った、優秀な説明は以下のようなものです。

  • 偽物ワクチン(生理食塩水)接種した100名のうち、50名が発病しました。
  • 本物のワクチンを接種した100名のうち、5名が発病しました。

ここで、ワクチンを接種していない人(生理食塩水を摂取した人)は50名の発病者に対し、本物ワクチン接種者は5名の発病で済んでいるということで、
(50名-5名)÷(50名)=0.9、つまり90パーセントの有効率として計算します。つまり、発病者が50名から5名に減った、これが90パーセント効果の違いであるといいたいわけです。

つまり、有効率はワクチン無しで発病した人を集めて、もしワクチンをうっていたらその中のどれくらいが発病しないかという割合を示すものです。
逆を言えば、発病しなかった人はワクチンをうとうがうとまいが発病しないので数字には表れません。

有効率の何に文句がある?

上の例の教授の説明そのものは間違っていません、正確です
しかし、この説明だけだと少し作為を感じますね。
何がズルいかといえば、100人に接種して、50人が発病したなどという計算しやすい例にしてしまっているところです。
常識を働かせてみましょう。高々100名程度のサンプルしかとっていないワクチンの臨床試験に、どれだけの信頼性があるでしょうか。

当然ですが、過去も現在も、ちょっとしたサンプル集めであっても、人に接種する前段としてやる場合はそれなりのサンプル数が必要です。100名だと少なすぎで、一回当たりのデータも20,000サンプルほど欲しいところです。今回の武漢ウィルス関係のワクチン検証も、米国ファイザー社も通常の4倍以上のサンプルを集めたと公言しています(米国の医療機関でもそう説明しています)。だから何だという問題は、別の次元のお話です。

臨床試験の離脱者はどう扱う?

上の臨床試験で、途中で調子が悪くなって試験を継続できなくなった人がいる場合はどうするのでしょうか。調子が悪くなったのだから、潜在的な発病者の方にカウントするなどのルールがありそうにも思います。
しかし、ルールでは途中で離脱した人は、たとえ潜在的発病する可能性のある人だと思われても、あるいは副作用が出ている思えるようなケースであっても、データ上はそのまま省いていいことになっています。
臨床試験中に、持病が悪化したり、ケガやその他の個人的な理由で試験に影響を与える薬を服用しなくてはならなくなった場合、結果に悪影響を与えないためにも、離脱できるのは感覚的にも当然です。これは、純粋に試験中に望ましくない結果を出しそうな参加者を排除するために使うこともできます。望ましくない結果というのは、不正確な結果のことという言い方もできますが、研究費を獲得するのに邪魔になりそうな結果、あるいは参加者の不適切な行為により取得したいデータをくるわせてしまうケースなど、様々です。
つまり、ルールに従って数字をコントロールするために悪用することもできます。

もう一度、現実的な数字で見てみる

ここで、先程の例のワクチン接種組と非接種組が各20,050サンプルずつあるとしましょう。同様に、ワクチン有効率90パーセントをたたき出すためには、どのような結果が必要でしょうか。

別に難しくありません。先ほどの教授の説明と同じです。ワクチン非接種組から50名の発病者、接種組から5名の発病者が出れば、有効率90パーセントになります(実データでは母数が増えるので発病者も少し増えます)。
図示すると以下の通りです。

ワクチン有効率

こうするとわかりやすいですね。
この例だと、ワクチンを接種しない人は20,000人は発病していない。ワクチンを接種した人は、20,045人は発病していないというということになります。
ワクチンを打たなくても、20,000人は発病しないのだから、ワクチンの効果そのものは、誤差レベルではないのかといえるわけですね。

実際のスケール感をチャートで表してみます。
rate of effectiveness
赤い部分が発病者ですが、全体との割合で見ると少なさがわかります。

単純に発病率の差を取ってみた方が、感覚的にわかるかもしれません。
ワクチン非接種組では20050人中、50人が発病すので、発病率は0.24パーセント、ワクチン接種組では20050人中、5人が発病するので、0.024パーセントの発病率と計算できます。

両者の差が0.21パーセントになります。つまり、1,000人中2人ほどの差が出るという結果になります。
この差を大きいとみるか小さいとみるかは、各自が判断することとして、その程度の差ならば、検査のやり方、検体の選び方、自己申告の精度などを考慮して、誤差ということもできます。
専門家に分類される人でも、試行ごとのバラツキがあり過ぎることがあるので、データの信憑性の見極めは難しい課題です。
いずれにせよ、95パーセントの有効率といっても、自身が思っていたことと大きく異なるものだと認識を改めた人が多いのではないでしょうか。

事実、ワクチンの効果をまとめた統計を地道に読み解いていくと、果たして効果があるのかどうかわからないという結果によくぶち当たります。
そのため、最近は「ワクチンは発病防止の効果より、発病しても軽症で抑えられる効果が高い」みたいな説明に、関係者の説明が変化しています。

発病しても軽症で済むかどうかについても不明です。ワクチン接種者で発病した人と、非接種者で発病した人、どちらの死亡率が高いかを、年齢(自分の体力)や持病等を考慮してしっかり見極める必要があります。有効率はどう計算されているかについてのお話でしたが、データがそろっていたとしても、その計算そのものにあまり意味がないこともあります(検証できない数字に一喜一憂する馬鹿げたことをやりがちです)。
計算そのものが正しくても、その数字について議論すること自体に意味が見いだせるかどうかは別問題です。
今回の有効率90%の例も、「ワクチンの凄さアピール」以外にあまりありません。でも悩んでいる情弱な人の背中を後押しする役割があります。

以上ですが、ワクチンについて医師に説明を求めて、この程度の回答ができない人なら、何かウラがあると思うべきでしょう。
現在、ワクチン接種一本につき3,000円から5,000円近くのギャラが発生するそうで、ビジネスしたい人が実際のところ多いんですよね。

データがまだ不十分(十分に揃っていない)であることは多くの人は認めるところだと思いますが、利害関係が絡むので関係者が故意にデータを隠蔽していることは容易に推察できます。結局は「本人の意志を尊重」するということになりますが、数字のマジックに騙されないように注意しましょう。上のパーセンテージの誤解があるような医療関係者は、相談相手としては適切ではありませんね。

バンコクでも同様です。

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