タイ国内でも、日本と同じく電子マネーが普及しつつあります。2019年現在では、主にバンコク市内でも普及率は高くなっていますが、バンコクを離れると空港を除けば普及はまだ弱々しいというのが現状です。
ここでは、比較的に特典も多く、サムスン製の Galaxy シリーズを使用している人が利用できる「Samsung Pay(サムスン・ペイ)」のタイ国内での設定の方法から、使い方について解説します。
なお、日本国内では Samsung Pay のサービスは行われていないようで(わざわざ使うメリットがないわけで)、本稿の内容はすべてタイ国内でのことになりますことを、あらかじめご承知おきください。
はじめに
まずはじめに、Samsung Pay には興味もなく、アプリをインストールする気もなく、この手のツールに関わりたくないと思う人は本投稿はスキップしてください。タイ国内で流通している電子マネーに興味があって、Samsung Pay にも少しばかり興味はあるけど、以下の条件が満たされない場合は設定ができないので、その条件が満たされる可能性が低い、あるいは満たす気もあまりないという場合は、本稿をスキップして他の電子マネーの投稿を読んでください。
Samsung Pay の設定するための前提
- Galaxy を所有している(予定である)
- Galaxy にタイ国内で使えるSIMカードを入れている
- タイ国内で発行されたクレジットカードもしくはデビットカード、mPayを持っている(予定である)
- カードのブランドは Visa か Mastercard である
- 利便性のためなら多少のリスクは許容できる
当然ですが、スマホとしての Galaxy を使用していない方は使えません。対応している Galaxy であれば、中古品でも落し物でも設定さえできれば何でもかまいません。
「クレジットカード」とあるように、Samsung Pay は Galaxy デバイスの中にクレジットカードの電子コピーを置くようなもので、使い方だけで言えば日本国内で流通している「QuickPay」のようなシステムです。手持ちのスマートフォン Galaxy がデパートなどでクレジットカードに早変わりという感じです。
ということは、Galaxy に登録できるクレジットカードもしくはデビットカードをお持ち出ない人は登録ができません。さらに、安全のために Galaxy 製造国が関わる金融システムとは距離を置きたいと考える人も、本投稿スキップしていただいた方がよろしいかと思います。個人情報に関しては抜かれてしまうのが原則で、悪用されないという保障は全くありません。逆を言えば、悪用されるリスクを十分に心得た上で、悪用されれば自分で対処できる程度の内容に限って提供するのが無難です。そして、利便性のためには多少のリスクは許容できる方だけ、お読みください。
Samsung Pay に関しては、トークンがスニッフィングされたと思われるケースが数件発見されており、完全に立証されてはいませんが、Samsung Galaxy セキュリティホールだとされている例があります。この例では Citi バンクが不正利用されたトークンの発行元が Samsung Galaxy であることから、責任は Samsung 側にあるとして支払いを拒否しています。
そんな胡散臭いものにクレジットカードを登録するのはイヤだ、もしものときに対応できないという方は、デビットカードをクレジットカードの代わりに登録するのがお勧めです。詳細は後に譲りますが、チャージした金額以上の引き落としはできませんので安心です。ただ試してみたいだけの人や、カードを作れない人や、作らない人、未成年であっても所有できるのもメリットだといえます。なんといっても、限定的リスクで収まるので、本サイトとしてもこの方法がお勧めです。
メリットは何?
小銭を受け取らなくてよい、利用履歴を電子的に管理できるなど以外のメリットがあるのが使うか使わないかを決める目安になると思います。
Samsung Pay で支払うことにより、レストラン(どちらかといえばファーストフード系)では一部のメニューが半額になったり、ドリンクを一つ注文すればもう一つ無料でもらえたりの特典があります。あと Galaxy Rewards というサムスン系のポイントが付加されて、それを割引券などのクーポンに変えることもできます。小銭を受け取らなくて良いなどもメリットですが、この程度のことでわざわざ設定にリスクと手間のかかることを使うメリットは多くなく、他の電子マネーのほうがメリットがあります。
それでも、Samsung Pay を設定しておくと良いと思えるのは、Galaxy Gift がタイ国内で幅を利かせており、この割引クーポンを利用する際には、更なる割引が付加されるなど特典が利用しやすいからです。逆に、Galaxy Gift には興味もなく、使う気もない方は Samsung Pay をわざわざ使う必要はないと思います。
どこで使えるのか
タイ国内のみならず、諸外国で一口飲むためにコンビニで水を買うときや時間つぶしに入るスタバなど、ちっょとした買い物の際にいつも気になるのが、外貨での支払いの手間だと思います。屋台の店で使えることは、今後もほぼ無いと思いますが、日本でも馴染みのある「吉野家」「大戸屋」などで使えますので、利用する機会の多い人は積極的に使ってみるとよいでしょう。
以下に対応している有名フランチャイズ店をリストします。
飲食店など
バーガーキング、マクドナルド、モスバーガーは現在は対応していないのですが、店舗によっては別の電子マネーをサポートしていることもあります。
デパートと専門店
バンコク市内での大型デパートの専門店ではほぼ対応しています。ただし、クレジットカードが利用できない店舗ではそもそも Samsung Pay は使えませんので、すべての店で使えるというわけではありません。
スーパーや日用品店
マックスバリュー、ファミリーマートなど日本でおなじみの店舗でも使えます。Tops market もよく使う人には便利だと思います。
映画館
映画館もすべて対応しているわけではありませんが、SF Cinema 系で利用することができます。
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Galaxy Gift の使い方
タイ国内で、Samsung 製のスマートフォンを使用している場合、Galaxy Gift(ギャラクシー・ギフト)が使える ...
日本で流通しているFeliCaとの違い
日本国内では交通系マネーに代表される Suica など、主にソニーが開発したFeliCa方式を採用しています。日本国内ではほぼ独占状態にあるFeliCa方式ですが、セキュリティが高い反面、店舗側は専用の対応カードリーダーを導入しなくてはならず、初期コストがかさむのが難点でした(これはApple PayやAndroid Payを採用する場合でも同様です)。
一方、Samsung Pay は「米LoopPay」の技術をそのまま買収して採用していて、磁気クレジットカードを読み取る端末を採用している店舗であれば、機材の初期投資なしに対応できるのが特徴です(つまり、NFCに対応していないPOSでも使用可能)。もちろん、機材として対応している場合であっても、店舗が Samsung Pay に対応するかどうかは店舗側の自由判断ということになります。
結論的にいえば、日本のFeliCaほどの安定性はなく、使える店であっても機器の不調で使えないことも多々あります。
日本国内での FeliCa が採用されている代表的なものをあげてみますと、Suica、PASMO、ICOCA、nanaco、WAON、iD、QUICPay、VISAToch/Smartplus、PiTaPa などがあります。あとは、企業や大学の入館チェックの時にかざすカードなどにも一部採用されています。今回紹介している Samsung Pay はこれらとは別方式です。
Samsung Pay のセキュリティですが、トークン化技術、ハードウェアでの指紋等のユーザー認証に加えて、最終的に VISA または mastercard のセキュリティチェックがありますので、まずまず安心して使えると思います。ただし、いくつかクラッキングが行われて(スマホを物理的に奪われてセキュリティが解除された、クレジットカード本体そのものを盗まれて、他者の Galaxy デバイスで無権利で Samsung Pay に登録されたなど)不正使用されたというケースもありますので、カードそのものの安心しすぎは禁物です。
Samsung Pay が現在使える国は、韓国、米国、中国、スペイン、オーストラリア、プエルトリコ、ブラジル、シンガポールで、カードに(タイ)国内でしか使えないという制限があるもの以外はタイ以外でも使うことができます。
対応機種
現在(2019年4月)のところ、以下の Galaxy シリーズのみに対応しています。
対応機種
Galaxy Note8 / Galaxy Note FE / Galaxy Note5 / Galaxy S10 / Galaxy S9 | S9+ / Galaxy S8 | S8+
Galaxy S7 | S7 edge / Galaxy S6 edge+ | S6 edge* | S6* / Galaxy A8 | A8+ / Galaxy A9(Pro)
Galaxy A5 | A7(2017) / Galaxy A5 | A7 / Galaxy A3 / Galaxy J7 Pro / Galaxy J5 Pro
チャージする
クレジットカードを登録する場合
Samsung Pay そのものは、スマートフォンがクレジットカードの役割を果たすものと考えてよく、タイ国内で発行された VISA か mastercard のカードであれば、ほぼ対応しています。
一方、JCB や Amex に代表される堅いカードは未対応になっています。上のカードで、日本でも馴染みのあるものは Citi と AEON あたりだと思うのですが、VISA か mastercard 以外のものは登録できません。かつ、タイ国内で発行されたものでなければ登録できません。例えば、日本で発行された VISA ブランドの AEON カードを持っても、そのカードはタイ国内で Samsung Pay に登録することは出来ません。
デビットカードを登録する場合
多くの人は、タイ国内発行のカードをわざわざ作る気はしないと思いますので、日本国内で使う Edy や WAON のような感じで、Samsung Pay にチャージして使う方法もありますので、こちらを利用するのがお勧めです。
お勧めは、タイの大手携帯電話会社AISのmPayをクレジットカードの代わりに登録することです。詳細は後に譲りますが、mPayは日本名国内のSuicaやEdyに代表されるプリペイド型の電子マネーで、チャージした金額以上の引き落としはできませんので安心です。さらにカードを作れない人や、作らない人、未成年であっても所有できるのもメリットだといえます。デビットカードの残高が少ない場合は、あらかじめチャージするなどして下準備が必要ですが、クレジットカードのように事故に巻き込まれるリスクは少なくなります。
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サムスン・ペイを使う
日本国内では使うことなどなく、機能をオフにするかそもそも無効にしている Samsung Pay ですが、バンコク市内でキ ...